新鮮な魚を買い求めてにぎわう、山の中の鮮魚店

美祢市大嶺町奥分の商業複合施設「ぽんぽこの里」の一角にある鮮魚店「鶴鮮(つるせん)」。鮮魚店でありながら山の中にあるのが特徴で、多くの人が新鮮な魚や刺身などを買い求め、平日でもにぎわいを見せています。美祢市出身の店主・鶴澤仁さんに鮮魚店を始めた経緯について伺いました。

調理中の店主の写真

──「ぽんぽこの里」に出店したきっかけは?

最初は移動販売車から始めたので、「ぽんぽこの里」の駐車場で魚を販売していました。半年くらい経った頃に、「ぽんぽこの里」から出店しないかと話があり、そのまま店舗を構えることになりました。オープンしたのは2018年です。最初は6畳くらいの広さだったのですが、手狭になったため改装して、少し広くなりました。

店内の写真

──鮮魚店を始めようと思ったのは?

元々、10年以上居酒屋に勤めていたのですが、チェーン店だったので自分で居酒屋をやりたいと退職しました。退職後は、まず魚の勉強をしようと思い、防府市の潮騒市場で働いたのですが、そのときに魚屋っていいなと感じて鮮魚店を始めることに決めました。

──どんなところがいいと思ったのですか?

朝早く起きて、健康的な生活を送ることができますし、私は子どもが7人いるので、居酒屋で夜の仕事をするよりも、昼の仕事だと家族と一緒の時間が持てるなと思ったのが一番の理由です。土日は子どもが店を手伝ってくれていますよ。

──山の中にあるのが特徴的ですね。

山だからか、美祢市には鮮魚店がないんです。スーパーに行けば魚は売っていますが、鮮魚店がない。地元の人に少しでもいい魚を食べてほしいと思ったのが出店理由の一つです。私が小さい頃は鮮魚店があって、祖母に連れて行ってもらうこともあったんですが、今はそういう店がないんですよね。

──どんな魚を置いているのですか?

山口魚市場で仕入れるのですが、この市場は仙崎、宇部、萩、秋穂など、日本海の魚も瀬戸内海の魚も全部集まってくるのが特徴です。山の中にあるからこそ、いろんな産地の魚を置きたいと思って選んでいます。「萩しーまーと」や「センザキッチン」に置いているような魚、スーパーではなかなか見ない魚を極力仕入れています。

えびの写真

アジの写真

──魚を一匹丸ごと置いているんですね。

30キロのヒラソ、20キロのブリとか、こういうのを置いておくだけでもお客様は喜んでくれます。「萩しーまーと」まで行かなくても、うちに来れば魚を一匹丸ごと見ることができますよ(笑)。

魚丸ごと一匹

──お客様はどんなふうに買っていかれますか?

刺身パックやブロックも置いていますが、魚を一匹丸ごと置いているので「これをさばいてください」という注文は多いです。人手が限られていてどうしてもお待たせしてしまうので、調理する間に店内で待つ方もいれば、「ぽんぽこの里」の他の店舗をまわる方もいます。美祢の中心地で買い物をする途中でうちに寄って、「帰りにまた寄るから刺身にしておいて」と注文される方もいらっしゃいます。

刺身パック

──お客様が多い時間帯は?

ランチの時間帯は「ぽんぽこの里」にお客様が増えるので、連動して多くなります。金曜日は、家でお酒を飲みたいからと仕事帰りに寄る方もいらっしゃるので、金曜日の夕方も多いですね。

──今後やりたいことは?

今は惣菜をやっていないので、お店が大きくなれば惣菜製造の許可をとって、南蛮漬けやフライなども提供したいですね。
美祢の中心地に出店して、今より多くのお客様に来ていただけるようにしたいという考えもあります。年配の常連さんも多いですし、今は車がないと来ることができないですが、中心地ならもっと来やすくなる人も増えるんじゃないかなと。魚は日々の食卓に並ぶものなので、日常使いをしてもらえるような店になればと思います。

外観の写真

■鶴鮮(つるせん)
住所:山口県美祢市大嶺町奥分3118-1
定休日:毎週月曜
営業時間:9時~18時(木曜・日曜のみ15時まで。魚がなくなり次第終了)
https://ponpokonosato.wixsite.com/ponpoko(ぽんぽこの里ウェブサイト)